給湯器の交換費用は種類で大きく異なる
給湯器には多種多様な種類があります。追い焚き機能さえないシンプルな給湯器もある一方で、省エネ設計、温水暖房機能つきなど多機能タイプも人気です。次のような機能があるか否か、またどれぐらいの大きさなのかによって給湯器の交換費用は大きく異なります。
追い焚き機能
給湯器は追い焚き機能の有無によって給湯専用/オート・フルオートに分類されます。オートとフルオートの違いは自動足し湯、配管自動洗浄機能がついているかどうかです。交換費用は高機能なほど高く、安い順に給湯専用、オート、フルオートとなります。
エコ機能
エコジョーズ、エコキュートなどの製品名でおなじみのエコ機能つき給湯器。エコ性能があると従来型よりも作業内容が増えるため交換費用も高くなります。給湯専用、オート、フルオートのそれぞれでエコ型、従来型の交換費用相場がどれだけ違うか見てみましょう。
エコ機能 |
給湯専用 |
オート |
フルオート |
従来型 |
12.8万円〜15.7万円 |
16.9万円〜17.0万円 |
18.6万円〜21.7万円 |
エコ型 |
13.3万円〜17.0万円 |
17.4万円〜21.4万円 |
19.0万円〜23.2万円 |
温水暖房機能
温水暖房機能とは給湯器の温水をポンプで床暖房などの機器に循環させて暖房する機能のことです。床暖房の他に温水ルームヒーター、パネルヒーター、食器洗い乾燥機、浴室暖房乾燥機、ミストサウナ、などにも利用できます。1台の給湯器で家全体が快適になる画期的なシステムといえるでしょう。
「交換費用も高くつくのでは?」と、不安に思う人もいるかもしれませんが高機能な給湯器ほど温水暖房機能の有無であまり交換費用は変わらないというのはご存知でしたか?
暖房機能 |
給湯専用 |
オート |
フルオート |
なし |
17.0万円〜20.0万円 |
32.0万円〜37.0万円 |
35.0万円〜40.0万円 |
あり |
33.3万円〜35.0万円 |
41.0万円〜43.0万円 |
44.0万円〜45.0万円 |
追い焚き機能・エコ機能がついた家族向けの給湯器に交換しようと考えている場合、あと5万円〜10万円ほど上乗せして温水暖房機能を追加してみるのもおすすめです。室内の空気が汚れないクリーンな暖房なので、とくに小さいお子様のいるご家庭などにはよいでしょう。
給湯器の号数
号数とは給湯器の能力を表す数字です。たとえば、24号は1分間に24Lのお湯を出せるという意味になります。一度に複数の場所でお湯を使わない単身世帯なら16号、2人世帯なら20号が便利です。3人〜4人家族ともなれば、追い焚き、シャワー、キッチンで同時に利用できる24号が必要になってくるでしょう。
号数がひとつあがると交換費用は2万円〜3万円アップしますが、だからといってライフスタイルに合致しない小さい給湯器にすると後々交換は避けられません。余計な交換費用を発生させないためにも最初から適切な号数を選択してください。
給湯器の種類別・交換費用の相場
給湯器と一口にいってもさまざまな種類があり、どのタイプを選択するかによって10万円単位で交換費用が違ってくることがわかりました。では、次に具体的にどのタイプがどれぐらい交換費用がかかるのかより詳しく見てみましょう。
追い焚きなし+壁掛け式給湯器
追い焚きなしの壁掛け式給湯器は、単身者用・アパート、マンションのベランダなどによく設置されている対応です。
一人暮らし用の16号でも十分ですが24号でもあまり値段はかわらないので、交換を機会にアップグレードするのもよいでしょう。ただし、号数と大きさは比例するので十分な設置スペースを確保できる場合に限ります。
16号 |
6万円〜7万円 |
20号 |
7万円前後 |
24号 |
7万円〜8万円 |
追い焚きなし+PS式・据置式給湯器
PS式とは玄関横の壁などに収納する形で設置している給湯器で、地面に設置する据置式とならんでアパート、マンションでよく見られるタイプです。単身者用の追い焚きなしの場合、壁掛け式よりはやや高くなります。
16号 |
7万円〜10万円 |
20号 |
8万円〜11万円 |
24号 |
9万円〜12万円 |
追い焚きあり+壁掛け式給湯器
追い焚きありの壁掛け式給湯器はカップルまたは家族向けアパート、マンションによく設置されています。追い焚きありの場合、オートでもフルオートでもあまり値段は変わりません。
16号 |
9万円〜12万円 |
20号 |
11万円〜15万円 |
24号 |
13万円〜17万円 |
追い焚きあり+PS式・据置式給湯器
追い焚きありとなると20号、24号が選択されることも多くなってきますが、そうなると16号よりは大きく壁掛け式では圧迫感も否めません。人気のPS式・据え置き式となると、やはり多少費用も高くなります。
16号 |
11万円〜14万円 |
20号 |
13万円〜17万円 |
24号 |
15万円〜19万円 |
追い焚きあり+温水暖房壁掛け式給湯器
ファミリー向けマンションなどに設置されることが多い追い焚きありの給湯器の中でも、最近人気なのが温水暖房機能つきです。さらに、エコ機能もプラスしたエコジョーズ給湯器の場合の相場についても調べました。
16号 |
18万円〜20万円 |
20号 |
19万円〜21万円 |
24号 |
20万円〜22万円 |
16号エコジョーズ給湯器 |
20万円〜23万円 |
20号エコジョーズ給湯器 |
13万円〜17万円 |
24号エコジョーズ給湯器 |
22万円〜24万円 |
追い焚きあり+温水暖房PS式・据置式給湯器
一軒家に設置されている給湯器のほとんどがこのタイプです。こちらも、この頃は温水暖房機能、エコ機能つきの給湯器に交換する人が増えています。従来型給湯器、エコジョーズ給湯器でどれぐらい費用が違うのか比較してみました。
16号 |
19万円〜23万円 |
20号 |
20万円〜24万円 |
24号 |
21万円〜25万円 |
16号エコジョーズ給湯器 |
21万円〜27万円 |
20号エコジョーズ給湯器 |
22万円〜27万円 |
24号エコジョーズ給湯器 |
23万円〜37万円 |
給湯器交換の際のチェックポイント
いざ給湯器を交換しようとなった時どのタイプの給湯器にするか、どんな業者に依頼するかによって交換費用は大きく違ってきます。
「とにかくリーズナブルならよい!」と、安易に決めてしまうと後々追加でコストがかかり、結局は損をすることにもなりかねません。長く使うものだけに慎重に選択したいところです。賢い給湯器交換のための製品選択、業者選びのチェックポイントを解説します。
追い焚きをするかしないか
まず最初に考えたいのが追い焚き機能が必要かどうかです。一人暮らしには不要かもしれませんが、夫婦二人暮らしなどの場合、よく考えましょう。
たとえば、共働きの若い夫婦なら帰宅時間や入浴時間も異なり、追い焚き機能は欠かせないでしょう。今後、子どもが生まれて家族が増えた時のためにも追い焚き機能は付けておいた方がよいはずです。しかし、子どもが巣立った後の老夫婦であれば追い焚き機能はなくてもあまり問題ないでしょう。
家族の人数は?
どのタイプの給湯器を選択するにせよ、号数を決定するのは家族の人数です。必ず人数に見合った号数を選択するようにしてください。とくに、今後家族が増える予定があるなら大きめの号数を選んで間違いありません。
給湯器の交換はダウングレードよりもアップグレードの方が費用がかかります。迷ったら大きめの号数を選びましょう。
リモコンで使いたい機能があるか
給湯器とリモコンは必ずセットになっているため、給湯器を交換するとなったらリモコンも取り替えなくてはいけません。これまで使っていたリモコンだけ残すというわけにはいかないのです。
リモコンには温度管理機能、キッチンと浴室との通話機能の他にもさまざまな機能があります。次のような特定のメーカーにしかないリモコン機能もあるので、交換の際の参考にしてみてはいかがでしょうか。
BGM機能(リンナイ、パロマ)
キッチンのリモコンにオーディオ機器を接続して、お風呂のリモコンから音を流せる機能です。入浴しながら音楽を聴いたり語学学習をしたい人におすすめです。
半身浴機能(パーパス)
半身浴に適切な温度、水位を設定できます。
体脂肪率測定機能(パーパス)
浴槽につかると給湯器内のセンサーで体脂肪率を測定して浴室内のリモコンに表示する機能です。スポーツ選手の体脂肪率測定と同じ原理で家庭用体脂肪計よりも正確な数値を知ることができます。
カロリー消費表示機能(パーパス)
入浴による消費カロリーを計測して浴室内のリモコンに表示する機能です。
見積もりは内訳まで細かくチェック
給湯器交換の業者を選ぶ際には複数の業者に見積を依頼して比較検討することをおすすめします。その際、しっかりと確認したいのは次のポイントです。
一式いくらはNG
見積書が「給湯器交換一式○○円」などとなっている業者は論外です。このような業者に依頼すると希望していない給湯器を設置されたり、追加費用を請求されたりするおそれがあります。
見積書には給湯器のメーカー名・型番・号数、作業内容という項目があり、それぞれいくらなのか明記されているか確認してください。
アフターサービス内容も確認
いくら安くても一切アフターサービスのない業者はおすすめできません。できるだけ長い期間、手厚い保障をしてくれる業者を選ぶようにしましょう。
割引率もチェック
給湯器は安い製品ではないだけに、必ず割引もあります。割引率は業者ごとに異なり、ネット販売の場合は60%〜70%もの割引が期待できます。
ただし、家の近くの業者とは限らないためトラブル時にすぐかけつけてくれるかどうかが気になるところです。アフターサービス内容についてより慎重にチェックするようにしましょう。
まとめ
給湯器交換にかかる費用はけっして小さいものではないので慎重に選択したいところです。だからといって交換時の費用を数万円安くするために、後々生活に不便を感じたり、さらに給湯器交換が必要になってしまった……ということのないように注意してください。
工事費込みでお得な給湯器は、家庭ごとに異なります。まずはライフスタイルを見直して、適切な給湯器を見極めてはいかがでしょうか。